「優駿」オセアニア情報






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Mariko Hyland & Associates Pty.Ltd.



優駿 2002年7月号




小柄な牝馬ヴィクトリーヴェインは、3歳クラシック戦線でも注目を集める

現在最強のジューブナイルといわれているのはビクトリーベイン、この8月1日で3歳になる黒鹿毛の牝馬である。そして実は先月号で紹介したユニバーサルプリンスの同厩馬、シドニーから300km離れたサウスコースト在住のビード・マリー調教師の管理馬である。このマリー調教師の言葉を借りれば"田舎で最初3回ぐらい走らせた時、なかなかいい牝馬だなとは思ったけど、まさかこんなに凄い能力があるとは僕も見抜けなかった"と語っている。実際、現在までの彼女の成績は、AJCシャンペ-ンS(GT)、AJCサイアースプロジュースS(GT)に優勝。ゴールデンスリッパ-Sでは、首差で、クインズランドから来た牝馬キャラウエイガールに負けた。しかし、堂々の2着である。彼女はこの他にもSTCシルバースリッパ-S(GU)マジックナイトステイクス(GU)スイートエンブレイスS(GV)も優勝している。
彼女は、厩舎のあるサウスコースト、マルヤにあるメリンゴスタッドで生産された。父親は、恐らく日本の人たちは名前を聞いたこともないミスタープロスペクタ-系のミスターヘンリシ-(米)、母親はオーストラリアの誇るブレッチングリーの息子オペラプリンス系のプロテクティブである。シドニーのセリで、リザーブ価格が45,000ドル(約310万円)だったところがそこまで届かず主取りになってしまった。父親はともかく、母のプロテクティブは、オーストラリアいちの馬主であるインガム兄弟のウッドランドスタッド生産馬、氏素性は思ったよりは正しいという訳だ。父親のミスターヘンリシ-は、これまで重賞勝ち馬を2頭出していて、1頭目はクインズランド州で大活躍したGT優勝馬のミスターイノセント、2頭目がこのビクトリーベインである。あとは、重賞勝ち馬がいないが、現在オーストラリアのリーディングサイアーランキングで20位。わずか48頭でこの成績だから、種牡馬としてはなかなかの成績だ。まして、種付け料わずか4400ドル(約30万円)の種牡馬としては。
ビクトリーベインは、いつも最後方から追っかける。間に合わないかなと思うと間に合う。だから、こうした馬にありがちな2着が抜群に多い。ハラハラドッキリ、私好みのレースホースだ。ゴールデンスリッパーSでは、何でもあまり早く前に出すぎて、負けたという説もある。したがって、サイアースプロジュースSでは、逃げるショワジールジールから最後の直線まで6馬身も離されていても、マリー調教師は心配しなかったと言う。日本の競馬では牡馬ばかりが偏重され牝馬の人気がないと聞くが、オーストラリアやニュージーランドではちょっと事情が違う。ここでは、牝馬が牡馬を相手に勝ちまくっている。このビクトリーベインもその例外ではない。背格好の小さいこの牝馬が今年の春シーズン、メルボルンでどんな活躍をするのか今から気が早い私はドキドキしながら待ち焦がれている。