「優駿」オセアニア情報





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優駿 2002年11月号




オーストラリアで注目を集めるデヒア産駒ディファイア

 
9月28日のロイヤルランドイック競馬場はサンラインとロンロの一騎打ちを観に来る人でごった返した。更に強くなって帰ってきた女王サンラインをマスコミは追いかけて、シドニー到着後のバリアトライアル(模擬レース)までテレビ中継が入って大変な騒ぎ。
 
 レースは、GTのジョージメインステイクス(1600m 3歳以上 馬齢重量戦)。マイルはサンライン得意とするところだ。もっとも、ロンロもなかなか眼が離せない。チャンピオンだった父オクタゴナル生き写しのロンロが、女王を破るところを一目見ようと、ロンロのファンも競馬場に駆けつけた。ところが、結果は、逃げるサンラインを見事掴まえたディファイアの優勝だった。
 
 2着は何と1年半ぶりに復活した、ゲイ・ウォーターハウス厩舎のエクセルレーター。一騎打ちになる筈だったロンロはサンラインとディファイアに前を遮られて結局4着となる。ディファイアは今回英語で言うところのパーティープーパー(楽しいパーティーをぶち壊す人の意)になってしまった。ディファイアは、昨シーズンから日本で繋用されているデヒア産駒である。母親はオーストラリアの血統、マスケイの血が脈々と流れるリランデ(93年生)。

 ディファイアはその初子として、ハンターバレーの名門ビーマスタッドで生まれた。チャンピオン馬にはそれに相応しいドラマが隠されている。彼は、99年にマジックミリオンズでアントニー・カミングス調教師に買われるが、同調教師は薬物の使用により3年の調教停止となり、ディファイアは当時ロイヤルランドイック競馬場に厩舎を持つジョン・サイズ調教師に預けられた。サイズ調教師はその後、香港に移動リーディングトレーナーとなるのだが、彼がシドニーの厩舎をたたんだ際に、ディファイアはガイ・ウオルター厩舎に転厩された。それから今回のジョージメンインステイクスでの勝利につながる。

 ドラマはカミングス調教師の話に戻る。制裁が解けて、彼は今度は今年の1月にディファイアの半姉妹を買ったのである。最初にディファイアを買った時もわずか8万ドル(約560万円)、今回はもっと安い43,000ドル(約330万円)。ディファイアがクイン・エリザベスステイクで勝つ前だから、またまた安い買い物をしたことになる。

 ディファイアはこれで今年のGTクインエリザベスステイクス(2000m)で優勝して以来、休養を経て4戦4勝。生涯成績は18戦8勝。総収得賞金は9月28日現在で135万ドル(約9500万円)を越えた。そして、この10月のドバイワールドカップシリーズの一環であり、オセアニア馬の最強馬が出走するコックスプレートステイクスで、再びサンラインとロンロとの対決をする予定である。

 実は、この3頭はこれまでも実に不思議なくらい運命の糸を交差させている。例えば、昨年のGUワリックステイクスは、ロンロが優勝。今年はディファイアがそのロンロを破って優勝した。そしてサンラインも99年にこのレースで優勝している。

 これまでデヒア産駒といえば、牝馬のベルデジュールが2000年のゴールデンスリッパーステイクスを優勝してデヒアの看板を背負っていたが、今年のディファイアの活躍で、デヒア産駒の牡馬(といってもディファイアはせん馬)の代表としてはこのディファイアが背負って立つことになる。日本でもデヒアの期待が高いというから、ディファイアは日本の競馬ファンにとっても注目の価値があるかもしれない。