「優駿」オセアニア情報





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Mariko Hyland & Associates Pty.Ltd.



優駿 2002年10月号





スプリンターとして今年も期待がかかる
ゴールデンスリッパーS勝ち馬キャラウェイギャル

世の中は万事"塞翁が馬"。今ごろクインズランド州のボーデザートにあるウイローベンド牧場主はそう思っているに違いない。1997年に、オーストラリアの大馬主で生産者でもあるインがム兄弟に、ストラテジックを種牡馬として売ってくれないかとアプローチしたがOKが出たのはクラングであった。その後ストラティジックはインガム兄弟のウッドランド牧場で、種牡馬としてのキャリアを順調に積み始め、クラングはひっそりとクインズランドの田舎でひっそりと種牡馬になった。 ところが、今年、そのクラングの娘キャラウエイギャルが世界最大の賞金を持つ2歳レース、ゴールデンスリッパーステイクスに勝った。それから後は、クラングのサクセスストーリーが始まる。昨年クラングはサイアーランキングの2歳馬チャンピオンになる。

ゴールデンスリッパーステイクスは牡馬の種牡馬としての登竜門。ところが最近はこのレースに牝馬が勝っている。今年のレースも、クラング産駒キャラウエイギャルと同じく牝馬のビクトリーベインと死闘の後、キャラウエイギャルが勝って、クインズランド州生まれでクインズランド州調教の初めてのゴールデンスリッパーステイクス優勝馬として歴史にその名を残した。

ギャルの父親のクラングは、ミスタープロスペクターの息子ベロト産駒。先述したインガム兄弟の所有馬として、現役中GUのシルバーステイクスで勝ってゴールデンスリッパーステイクスに出走したが、結果は9着。娘の優勝にはほど遠い。しかしGTのVRCとAJCサイアースプロジュースステイクスで入着しているから、手堅いスプリンターだったと言える。実際、キャラウエイギャルもスプリンター。今注目のスプリンター、ミスティジック他、フェアエンブレイス、シャグス、リオーナなど重賞優勝馬も出始めた。

キャラウエイギャルは、カライスロワヤールの第三仔である。あまり目立たないクインズランド州ブリスベンのセリに上場されたが、生産者のキャンベル氏は考えを変えて主取にした。ここから彼の運命が変わる。英語で言うところのreversal of fortune。ところで、キャラウエイギャルは、つい最近までオーストラリアのスタッドブックには載っていなかった。理由を聞くと、登録料を払わなかったかも知れないとのんびりした答。いずれにしても今はチャント、スタッドブックに載っている。余談になるが、スタッドブックには5代前まで遡らないと登録が出来ない。こうして登録し忘れたり、登録をしなかったりすると、折角のチャンピオン馬の将来が危うくこともある。実際、ゴールデンスリッパーの優勝馬がスタッドブックに載らなかったら大変な事だ。

キャラウエイギャルは現在10戦して5勝入着が3回。総収得賞金は170万ドル(約1億1千万円)を越える。8月末のシドニーのGUシルバーシャドーステイクスで、ゴールデンスリッパーで負かしたビクトリーベインに負けて3着になったものの、オーストラリアの春レースの活躍はみもの。そして、ライバル、ビクトリーベインとの女の戦いも!