「優駿」オセアニア情報




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優駿 2002年4月号


2歳世界最高賞金レース、ゴールデンスリッパーSを狙う快速馬ベルエスプリ

今オーストラリア最強の2歳スプリンターと言われているのは1999年生まれ、鹿毛の牡馬、ベルエスプリである。 父はクールモア牧場が、1994年から99年までシャトルしたローヤルアカデミー。 数多いシャトルスタリオンの中で何となく目立たなくなって、気が付いたら昨シーズンは種付けにやってこなかった。 が、ベルエスプリの活躍だけでなく、他の産駒も走り出して、現在重賞勝鞍数で、ロイヤルアカデミーはデインヒル、ザビール、オクタゴナルに次いでオーストラリア第4位に入り、2歳馬のチャンピオンサイアー・ランキングでは、今シーズン1位に輝いている。 どうやら今年の種付けシーズンには、また帰ってくるらしい。 実際、現在までで、ロイヤルアカデミーの重賞産駒には、G1コーフィールドギニーズやGUAJCスタンフォックスSを勝ったケンウッドメロディ。STCトッドマン・スリッパートライアル(GU)やAJCキンダーガーデンSを勝ったロイヤルコートシップ。 一番早くロイヤルアカデミーの名をあげた俊足牝馬ピカデリーサーカスなど9頭がいる。 ピカデリーサーカスは、現在繁殖牝馬になっているが、2歳時にブルーダイアモンドプレリュード(GV1100m)で優勝した。

ベルエスプリは、昨年のコーフィールドカップとメルボルンカップの2冠馬エセリアルがオーストラリア遠征時にベースにして、現在オーストラリアいちの厩舎施設と呼ばれている、メルボルン郊外マセドンロッジにいる。 マセドンロッジ厩舎の専従調教師はジョン・サイモンズ。 昨年シドニーのイングリスクラシックセールで、わずか9千ドル(約63万円)で買った。 前足が曲がっているので、誰も手を挙げなかったのだという。 そのベルエスプリが心配されたソエや怪我もなく、現在、オーストラリア最強の2歳スプリンターと言われるまでなったのは、マセドンロッジの素晴らしい施設とトラックによるものかも知れない。ベルエスプリの祖母のヴィンダムールは、ブルーダイアモンドの優勝馬マハシンを出し、牝系にもブルーダイアモンド優勝馬がいる。

ベルエスプリは、現在まで、GUVRCマリブノンプレート、GVMRCブルーダイアモンドプレリュード、VATCブルーダイアモンド・プレビューを勝っていて、先日は本番のブルーダイアモンドステイクスに首半分で優勝した。サイモンズ調教師は、優勝後、ベルエスプリ調子はまだ8分だと語った。牡馬であるベルエスプリの目標は、2歳馬レースとしては世界最大の賞金を誇るゴールデンスリッパーステイクス。 前売りのオッズでは断然本命である。 これまでブルーダイアモンドステイクスとゴールデンスリッパーステイクスを2冠するのは不可能に近いとされてきた。 それというのも、これまでマニカトが、1978年に二つのレースに勝ったほか、歴史上4頭しかこの2冠を達成した馬がいない。 これは、恐らくメルボルンとシドニーとの地理的な差やトラックの差もあるし、レース自体が約1ヶ月間で行われるという時間的なハードさもあるのかも知れない。 しかしベルエスプリは、今回この壁に挑戦しようとしている。 先日ブルーダイアモンドを勝って、11万ドル(約800万円)という多額のレイトエントリーフィーを払って、ゴールデンスリッパーステイクスに登録をした。 準備万了?それが、ベルエスプリには今、越えなければならない壁がもうひとつある。それはゲートである。先日のブルーダイアモンドステイクス出走後、ゲート入りが悪かったと3月7日のトライアル(模擬レース)まで出走停止になった。ベルエスプリがもし、このトライアルでゲートインに失敗すると、彼の世紀のチャレンジは水泡に帰してしまう。私たちは今、トライアルをハラハラしながら見守っているのだ。