「優駿」オセアニア情報





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優駿 2008年12月号



ムーニーバレー・スペシャリストのマルディヴィアンが逃げ切り勝ち

ムーニーバレー競馬場はなかなか手ごわい競馬場だ。実力馬も勝つのだが、時に、この競馬場が大好きでここでしか勝たないという馬、ムーニーバレー・スペシャリストも出てくる。たとえば、フィールドオマールは、その典型。コックスプレートステークスに5回も出走して、何度か入着。そして、9歳の引退間際に、彼よりずっと実力あるエルセグンドとポンペイルーラーを破って勝った。馬が理解していたかどうかは別として、「ここで」勝ちたいという気持ちだったのかも知れないが、フィールドオブオマーもまたムーニーバレー・スペシャリストであった。今年のコックスプレートステークスは、実力馬が何頭か出てはいたが突出馬はあまりなく、ただ1頭、シドニーからやってきたスーパー牝馬サマンサミスが注目を集めていた。 前に牝馬ミスアンドレッティが3歳でコックスプレートステークスに出て惨敗したが、今回のサマンサミスは違うぞとマスコミが一斉に書き立てた。ところで、実力を持っていながら、運が悪く、どうしても重賞レースを勝てないという馬も中にはいる。マルディヴィアンは、そのいい例だったかも知れない。しかし、彼は、ムーニーバレー競馬場が好きであった。ムーニーバレー競馬場で、何度も勝っている。もしかして.....という予感はあったが、オッズはそれを反映していなかった。

昨年のコーフィールドカップは悪夢のようだったとマルディヴィアンを管理するマーク・カヴァナー調教師が語る。確かに、血にまみれた本命馬マルディヴィアンの鞍を下す同調教師の姿を写した写真は、競馬ファンの記憶に残るところ。マルディヴィアンは、ゲート入りをしてから、ゲートの中で暴れてけがをして出走取り消しになったのだった。今年、マルディヴィアンは、コーフィールドカップに出走したものの、9着になり、やっぱりプライムタイム(旬)は過ぎてしまったのだという感じを誰もがもった。チャンピオン馬ではないかと騒がれた馬だっただけに失望が大きく、今回のコックスプレートステークスは、マルディヴィアンの最後のチャンスであった。マーク・カヴァナー調教師にはプレッシャーがかかったに違いない。「前に行かせる予定です」とレース前にその作戦を語り、結果は、今年になってコンビを組んで成功しているマイケル・ロッド騎手が、見事に逃げ切った。噂では、マーク・カヴァナー調教師は、マルディヴィアンにブリンカーをつけ、障害を飛ばせて、最後のチャンス、コックスプレートステークスに焦点を当てたという。なお、ムーニーバレー競馬場で重賞レースを勝った経験のあるジッピングが、2着。話題の牝馬、サマンサミスは3着と健闘した。
優勝ジョッキー、マイケル・ロッド騎手は、昨年のメルボルンカップでエフィシャントに騎乗して優勝した。しかし、今年1月になって、ウイルス性の風邪から、慢性疲労症候群というスポーツマンにとっては致命的とも言える病気にかかってしまい、そのために、今年の秋の大レースシーズンは全く騎乗することがなかった。将来が危惧されたが、その後、カウンセリングやリハビリを経て、最近レース騎乗に復帰したばかりであった。だから、「コックスプレートでの勝ちは特別だ」と大興奮するロッド騎手。その日、マーク・カヴァナー調教師とマイケル・ロッド騎手のコンビは、VRCダービーの最有力馬とみられていたフービーゴットユーで、G2のAAMIヴァーズも勝った。さて、マルディヴィアンは、種牡馬ザビールのWSコックスプレートを勝った4頭目の産駒である。ザビール自身も、14頭中14着という惨敗ではあったが、1989年、3歳の時に同レースに出たことがある。余談だが、ザビールが出走した1989年のコックスプレートで優勝したのはアルマラッド。このアルマラッドもザビールも、シーク・モハメッド殿下の兄であるシーク・ハムダン殿下が所有していた。今回のマルディヴィアンは、このザビールを繋用するNZのケンブリッジスタッドの生産馬である。3着にはなったが今後の活躍が期待されるサマンサミスの母もザビール。ザビールの影響大の、今年のコックスプレートステークスであった。

VRCダービーで女性のリンドップ騎手が勝利!!