「優駿」オセアニア情報





Back




Presented by
Mariko Hyland & Associates Pty.Ltd.



優駿 2005年2月号





フローバル・スプリント・チャレンジ開幕
オセアニアではレジメンタルギャルが注目

東京競馬場で行われたジャパンカップ、ジャパンカップダートの共同記者会見の席で、オーストラリアと英国、日本の3カ国で、世界初の国際スプリントレースのシリーズとなる"グローバル・スプリント・チャレンジ"が実施されることが発表された。オーストラリアと英国、日本でそれぞれ2レース、計6レースが実施され、勝敗は入着ポイント方式でポイントを競うもの。サッカーの使うホームアンドウエイ方式を使い、例えば、英国でのレースの場合には、ヨーロッパ、UAE(アラブ首長国連邦)以外の馬はポイントが2倍に、オーストラリアでは、オセアニア以外の馬の、そして日本のレースでは、アジア以外の馬はポイントが2倍になるという具合。2国以上のレースに参加して、30点以上の特典を獲得した馬のうち、最も得点の高い馬が優勝となるという。

2005年、その対象となるレースは、オーストラリアで2月5日に、メルボルンのフレミントン競馬場で開催される芝1000mのライトニングステイクスと同月の19日にムーニーバレー競馬場で開催される芝1200mのオストラリア・ステイクス。その後舞台を英国に移して、英国では、6月14日、ヨーク競馬場でのキングススタンド・ステイクスと同じくヨーク競馬場で開催される同月18日のゴールデンジュビリー・ステイクス、芝の1200m。通常だとこの二つのレースはアスコット競馬場で開催されるが、来年アスコット競馬場は改修工事のために、ヨーク競馬場で開催されるという。シリーズの最後は、日本で9月11日の芝1200mのセントウルステイクスを阪神競馬場で、10月2日に中山競馬場で開催される芝1200mのスプリンターズステイクスで幕を閉じることになっている。

この企画は元々オーストラリアで創設されたシルバーアロー・スプリント・チャレンジがその土台のアイデアになっている。シルバー・スプリント・チャレンジレースは、指定した4つのスプリントレースのうち3つのレースに出走してポイントを競い、勝った馬に50万ドルのボーナスを出し、その勝者は英国のアスコットのスプリントレースに招待されるという特別レースで、ビクトリア州のブックメーカー協会がスポンサーになって創られた。このシリーズの第1回目の勝者はショワジールで、ショワジールは、現在クールモアオーストラリアで種牡馬として繋用されている。ショワジールは、このコーナーでも紹介したことがあるが、オーストラリアの、このシリーズで優勝後英国に遠征して、キングズスタンド・ステイクスとゴールデンジュビリー・ステイクスで見事に優勝を果たした。

そして、今年の同シリーズの勝者は、ブリスベンをベースにする牝馬レジメンタルギャル。レジメンタルギャルは、2歳で、マジックミリオンズレースを優勝し、その後3歳で、シドニーのGUサンドメニコ・ステイクス(1000m)とGUシルバーシャドーステイクス(1200m)を勝って、メルボルンの同シリーズに参戦した。結果は、ニューマーケットハンデキャップで惜しくも3着だった他は、G1のライトニングステイクスとオーストラリア・ステイクスの二つを優勝という素晴らしい結果を出した。

ところで、今年レジメンタルギャルを負かしてニューマーケットに優勝したエクシードアンドエクセルは、ダーレーグループに買われて、英国に遠征したが、体調不良で結果を出すことができなかった。その後、彼はオーストラリアで種牡馬入りしている。

レジメンタルギャルは、英国遠征は時期が早尚ととりあえずオーストラリアに止まり、メルボルンの春シーズンに出走したが、結果は、10月にコーフィールド競馬場でGUのスキラッチステイクス(1000m)で3着、ムーニーバレー競馬場でのGUシュエッパーステイクス(1000m)で2着、しかし、11月にはフレミントン競馬場のGUレクサスクラシック(1000m)では調子を崩し9頭中の7着と惨敗している。とは言うものの、年齢的にも更に充実してきているので、彼女が、今回のグローバルスプリントに出走すれば、実績から言っても、最有力の1頭になることは間違いない。

ところで、11月のレクサスクラシックで、レジメンタルギャルを破り優勝したファーストネットロックは、父がデインヒル、重賞優勝馬でロイヤルアカデミー血統のピカデリーサーカスの息子という優れた血統で、クールモアインターナショナルが所有している。おまけに管理はショワジールのポール・ペリー調教師という組み合わせ。調教師は、海外遠征を考えていると既に発表しているので、このファーストネットロックも、グローバルスプリントチャレンジに参戦の可能性が十分ある。

オーストラリアの馬が海外遠征をするなどいうのは、かつては、賞金が最も高かったジャパンカップに行くことぐらいしか考えられなかった。しかし、スタリオンビジネスがグローバル化してくると、遠征については、単に高い賞金を獲得するというよりは、種牡馬候補であるならば、その種牡馬としての価値をあげ、牝馬であるなら繁殖としての価値をあげるためというこれまでと異なる目的がついてきた。したがって、今回のグローバルスプリントチャレンジは、それぞれの国の異なった思惑があるのかも知れないが、オーストラリアにとっては、少なくても、生産と切っても切れない関係にあることはほぼ間違いない。