「優駿」オセアニア情報





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Mariko Hyland & Associates Pty.Ltd.



優駿 2003年7月号




豪州競馬に多大な影響を与えるウッドランズスタッド

オーストラリアの競馬と生産を語るときには、ウッドランズスタッドを抜いて語るわけにはいかない。なぜなら、ウッドランズスタッドのオーナーである、ジャック&ジョン・インガム氏は、オーストラリアいちの馬主であり、オーストラリアいちの生産者だからである。しかし、彼らがオーストラリアの競馬と生産に最も影響を与えていると思われる理由は、彼らがチャンピオンを生産し、それらをチャンピオンサイアーにしていることである。オーストラリアの牡馬の8割から9割ぐらいは、競走馬になると同時にせん馬にされてしまう。どうしてなのだろうと、色々聞かれるが、理由はオーストラリア人が大変"現実的"なので、血統の良くない馬に、もしかしてという期待をかけるよりは、一日も早く楽に?してあげて、競走生活に集中してもらいたいと思っているからというのが、最大の理由だと言われる。あるいは、オーストラリアの厩舎管理では、一人の厩務員が4頭ぐらい持つのは当たり前だから、少しでも厩舎管理が楽なようにという説もある。いずれにしろ、このような理由でオーストラリアの国内産の種牡馬は、大変数が少ない。

ところが、ウッドランズスタッドには、オーストラリア国内産種牡馬が数多くいる。人も知るザビール産駒オクタゴナルは、繁殖をNZに持っていって種付をしたのでとりあえずNZ産にはなってはいるが、これも正確にはウッドランズスタッド産である。それから、オーストラリアの血統を長い間支配してきたスターキングダム血統のケニーラッド、ドラキュラ、コマンズ、オーバー、ストラテジック、バイカウントなど。これらは全てウッドランズスタッドのホームグロウン(自牧場産)の種牡馬である。これに、シャトルスタリオンとして、アイルランドからグランドロッジとデザートプリンスがシャトルされ、アメリカからシャトルされたクエストフォーフェイムは2000年以降ウッドランズスタッドが全株買っている。これらウッドランズスタッドで?用されている種牡馬は今年の種牡馬ランキングで、オクタゴナルが4位、グラッドロッジが10位、ケニーラッドが16位、クエストフォーフェイムが18位にいて、同牧場がいかに成功しているかを物語っている。

確かに今年のシドニーのゴールデンスリッパーカーニバルは、ウッドランズスタッドが台風の目だった。目玉のゴールデンスリッパーこそ逃したが、4週間の間に、GTを2つ、GUを1つ、GVを3つ獲得した。その旗頭は、オクタゴナルの息子ロンロであった。GTのジョージライダーステイクスで優勝。オーストラリアの春シーズン(日本の秋)には、更に重賞優勝を重ね、父親オクタゴナルを凌ぐ大チャンピオン馬になると、期待されている。また、GTのBMWでは、あのノーザリーを破って優勝したのは、もうすぐ7歳になろうとしている古兵フリーメイソンであった。フリーメイソンは、オーストラリアにシャトルされているグランドロッジの初年度産駒。GT優勝馬ではあったものの、暫く活躍しておらず、引退したのではと思ったら、何と今年のBMWに出て、ノーザリーを破った。フリーメイソンは、ウッドランズスタッド所有にしては珍しくせん馬で、現在彼をしのぐグランドロッジ牡馬が続いていないので、彼が牡馬だったらと、ちょっと寂しく思わないでもないが、とりあえずフリーメイソンが頑張っている間に、もしかして、2歳の牝馬二エロが3歳として活躍してくれるかもしれない。このほかに、ウッドランズスタッド産で所有の期待馬は、デザートプリンス産駒である。今年のGVスカイラインステイクを勝ったクーシと、南オーストラリア・ブリーダーズステイクGUを勝ったシリンクス。彼らも現在2歳だが、秋には3歳になって再び活躍し始めるはずだ。現在ウッドランズスタッド・ステーブルの専属調教師はジョン・ホークス調教師。シドニーとメルボルンとアデレードとブリスベンに厩舎を持っている。シドニーで、ホークス調教師とビードマン騎手と言ったら、馬券をとれる確率の高いコンビとして知られる。ちなみに、ビードマン騎手は今、シドニーで、ダントツのリーディング、ホークス調教師はゲイ・ウオーターハウス調教師に次いでリーディングトレーナーの2位になっている。今冬の季節で少し静かになっているウドランズ軍団であるが、秋になったら、ロンロを先頭にガンガン活躍し始めることは間違いない。