「優駿」オセアニア情報





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Mariko Hyland & Associates Pty.Ltd.



優駿 2005年6月号





AJCダービーはイレメインが
オークスはディゼルが優勝

今年もシドニーのイースターレーシングカーニバルは、話題が多かった。とりわけカーニバル初日のダービーデーは、8ヶ月前には疝痛で死にそうだったエレメインが優勝した。オーナーは、オーストラリアの代表的な競走馬で種牡馬マスケイなどを所有・生産したジェフ&ベリル・ホワイト夫妻。もちろん、同馬も、そのマスケイ血統の母から生産している。ダービーの日は、ざあざあぶりの雨。エレメインのアラン・デナム調教師は「マスケイ血統は長い距離が苦手。しかし、この雨のお陰でティンバーカントリーの血統が生きてきた」と語る。エレメインは、短い距離のレースを3連勝して、GTのローズヒルギニーズ(2000m)」に臨み優勝。これまで13戦して6勝、入着5回。マイトアンドパワーなどを管理してきた父ジャック・デナム調教師の薫陶を受けたアラン・デナム調教師の初のダービー優勝。優勝後その父と息子は流れる涙を拭いきれずにいた。

さて、カーニバル3日目にオークスは、タヤスツヨシ産駒で、昨年VRCオークスを勝ち、歴史的なVRC−AJCオークスダブルを狙うホロウブレットに注目が集まっていた。ホロウブレットーとは、鉄砲の空弾という意味だ。イヤリングでわずか1万ドル(約80万円)で購入したという 。しかし、期待のホロウブレットトは、シドニーの環境になれず体重を落とし、絶好調とは言えない状態でオークス参戦を余儀なくされた。それに引き換え、ジョン・ホークス調教師が管理するザビール産駒ディゼルは、レース中3度も寄られて前に出られず苦戦を強いられたものの、ラッキーにも最後に空いた隙間を抜けて優勝した。春(オーストラリアの)は、このディゼルでカップを狙うというから、今年のコーフィールドカップやメルボルンカップは同馬に要注意のようだ。

今年のドンカスターハンデは、ガイ・ウオルター調教師の管理馬が1着から3着まで独占してファンを驚かせた。レース前は、上位独占があるなら、本命になっていたウイニングベルを始め、ウオルター調教師と同じく3頭出走させ、ドンカスターハンデで何度も優勝成しているゲイ・ウオーターハウス調教師ではないかと見られていたからである。しかし、ウオーターハウス厩舎所属馬たちの結果は、トップウエイトだったデザートウオーが優勝馬から3馬身を離された6着、アルマハールが9着、そして本命ウインニングベルは12着となって全員討ち死にをしてしまった。「ドンカスターハンデで優勝するだけでも光栄なのに3頭も入着するなんて」とウオルター調教師は、自身でも狐につままれているよう。しかも、優勝馬パテッツアは、3頭の中でも1600mの距離をまだ走ったことがなく、実際に走れるかどうか分からなかったのだという。「オーナーが一度試してみようかというから出走させたのですが、今回のパテッツアの優勝で、ッ自分が調教師としてまだ未熟だったことがよく分かりました」と反省の弁。優勝馬パティツアは、6歳のリュビトン産駒のせん馬。3年前に管骨を骨折して手術を受け、およそ1年して復帰。もっとも、復帰以降の彼の活躍には目を見張るものが..。復帰後2003年の8月までに、1200mまでの距離で何と6勝もしているのだ。 また、その後今回のレースまでに1400mのGVで優勝、1週間前GTジョージライダーステイクスで、同厩馬でドンカスターハンデで2着になったコーツインセッションに続いて2着となっている。さて、そのコーツインセッションは、5歳のせん馬。23戦してGTのジョージライダーステイクスを含めて11勝して、入着が8回と現在ウオルター厩舎の期待馬。3着には、写真判定でダニマーティンが入った。
今年のイースターレーシングカーニバルには、あと幾つかのハッピーストーリーがあったが、一つは、種牡馬として引退が決まっていたチャージフォーワードが、ラストランのGTギャラクシーで、不得意の不良馬場もものともせずに勝ったこと。チャージフォーワードは、レッドランサム産駒。この後アローフィールド牧場で繋用されることになっている。また、カーニバルの最終日のシドニーカップでは、美人調教師として有名だったキム・モア調教師の管理馬マートゥームが、怪我や故障を乗り越えて見事に優勝したが、モア調教師は結婚式を翌日に控えてのGT優勝。また、マートゥームのオーナーで、彼女の未来のハズバンドにとっても素晴らしい結婚祝いになった。キューピッドもなかなか粋な計らいをするものである。