「優駿」オセアニア情報





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優駿 2004年3月号




ヤマニンバイタル産駒2頭が、ニュージーランドでG1を勝利

NZで最も大きな競馬カーニバルは12月末から1月末まで。カーニバルの終了前にNZのナショナルイヤリングセールが開催される。今シーズンも12月26日、オセアニアではボクシングデーと呼ばれるクリスマス翌日の休日にオークランドのエラズリー競馬場でメルセデスダービー(2400m)が行われた。優勝馬は、日本の元競走馬ヤマニンバイタル産駒の、カットザケイク。カットザケイクは、メルボルンにも厩舎を持つマイケル・モローニ調教師とアンドリュー・スコット調教師の共同厩舎の管理馬で、半弟のフラストライクも92年にGTのNZ2000ギニーズを勝っている良血馬である。ダービー馬を出した種牡馬ヤマニンバイタルは、元々サートリストラム産駒で、NZのナショナルセールで土井肇氏に高額で落札されたもの。日本では、15戦して5勝、残念ながら重賞はない。97年にNZのホワイトローズロッジ牧場に売却されて、1500ドルというわずかな種付け料で繋用されていた。

ところが、このヤマニンバイタルは、このカーニバルでまたまたGT優勝馬を出した。1月24日NZの首都ウエリントンで開催されたウエリントンカップ(GT)で、クルーデンクリークが優勝したのである。クルーデンクリークは、ヤマニンバイタルの初年度産駒(98)。ヤマニンバイタル産駒が最も数多く生まれのは99年、それ以降、シャトルスタリオンの影響やサートリストラム人気の落潮で苦労していた矢先の、今回のブレークである。ヤマニンバイタルのオーナーであるアンダートン氏は、種付け料の値上げは考えていない。しかし、クオリティの高い牝馬に来て欲しいと語っているという。

さて、毎年元旦は恒例のオークランドカップである。このオークランドカップが今年は、時ならぬ女性デーとなって競馬界を騒がした。なぜなら、牝馬のアプセットゼム(英語の意味は、あいつ等をドキッとさせてやりなさいよ!)が、やはり女性のカレン・フースドン調教師、そして英国で見習い騎手をしていた女性のジェマ・スリッズ騎手とトリオで優勝したからだ。フースドン調教師は、このアプセットゼムのステイヤーとしての能力に自信があり、雨続きのNZでの調教準備が遅れてしまい結局は遠征しなかったものの、昨年のメルボルンカップに登録をしたほど。実際、元旦のGUクインエリザベスUステイクスでも優勝している。このオークランドカップでは、2着はギャロウエイラスとなり、日本にもお馴染のリズム産駒がワンツーフィニッシュを決めた。

92年に日本で種牡馬入りしたリズムは、96年にNZへ。そして、97年にアメリカに売却され、2003年にアメリカとオーストラリアをシャトルし始めた。オーストラリアでは、ハンターバレーのベイラミスタッドで繋用。これまで最も成功したリズム産駒にはQTCオークス、コーフィールドカップ、メルボルンカップなどGTを4勝したエセリアル、それから、NZオークスを勝ってシンガポールに渡ったタピルド(シンガポールでGTとGU優勝)、キャンベラをベースにして走っているイントゥーザナイトなどがいる。現在走っているリズム産駒はNZ産駒でどちらかというとステイヤーが多いが、これからオーストラリアのスピード血統とミックスしてどのような活躍をするのか注目をしていたい。

NZオークスは、本命のカイヌイベルを負かしたワーライトプリンセス。ソビエトスター産駒のフィランテエトワールを1馬身離しての快勝となる。この日NZにしては珍しい固い馬場で勝ったワーライトプリンセスは、女性調教師のリサ・ラッタ師がNZのセリで2万ドルで買ったもの。5回出走して3勝2回入着。連帯率100%の好成績だ。ワーライトプリンセスの父は、サートリストラム血統のグロブナー産駒ヒズロイヤルハイネスで、同馬の6頭目の重賞勝ち馬に当たる。NZでは、現在最優秀牝馬レーシングシリーズを実施しており、例えばGTで1着だと12点、2着は7点、3着は3.5点、GUでは8点、4点、2点、それからGV、準重賞と着順によってポイントがついている。2月1日現在のシリーズのトッパーは、カイヌイベル、2位にタートルテイル、3位にワーライトプリンセスが入っている。このシリーズは昨年9月のGVハイビューステイクスから今年2月28日のチャンピオンシップステイクスまで1200mから2400mまでの10レースが指定されており、このシリーズで優勝すると、NZの最優秀牝馬に選ばれることになっている。なんとも、サラブレッド生産を大切にする国らしいシリーズである。ちなみに昨年はシンコーキング産駒のブランブルローズがNZ最優秀牝馬に選ばれた。