「優駿」オセアニア情報





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Mariko Hyland & Associates Pty.Ltd.



優駿 2003年5月号




地球のあちこちで産駒が大活躍。
ふたたびデヒアブームの気配。

この3月のドバイワールドカップの日、ベルデュジュールがGTゴールデンシャヒーン(1200mダート)にオーストラリアを代表して出走した。彼女は2歳で世界一賞金の高い2歳馬レース、ゴールデンスリッパーステイクス(GT1200m)に優勝。GUとGVを計4回勝ち、今年になってから、オーストラリアの伝統的なスプリントレースの1つであるVRCニューマーケットハンデ(GT)に優勝した。実は、kこのレースを最後に、ヨーロッパに向かい、フランスのハモンド厩舎に転厩して、スプリントレースを何戦かして、アイルランドのクールモア牧場でオーストラリアにシャトルしなくなったデインヒルの種付けをして帰るという予定だったのが、急遽その予定が変わり、ドバイのゴールデンシャヒーンに参加後、ヨーロッパには向かうが、転厩せずに現在のクラリー・コナーズ調教師の下でロイヤルアスコット競馬場のキングスタンド(GU)か、ゴールデンジュビリー(GT)に出走、その後、南半球時間で種付け後、お腹にデインヒルの仔を入れたまま(オセアニアではよくあること!重賞を勝った例も数々)、11月のブリーダズカップに向かうという高遠な計画が発表された。ベルデュジュールのオーナーは、ストロベリーロードの元オーナーで、オーストラリアのセリ会社、マジックミリオンズ社のオーナーの一人であるJシングルトン氏。もともとオーストラリアの競馬人は現在のオーストラリアの競馬の繁栄に結構満足していて、彼のような世界的な視野を持つ人は非常に稀である。いずれにしても、シングルトン氏は、ベルデジュールが初めて走ったダートトラックで、4着になったことを高く評価するとともに、彼女を世界に旅立たせることで、閉塞したオーストラリアの競馬に何とか風穴を開けようとしているのかも知れない。

さて、ベルデュジュールが地球の反対側で活躍していた時に、オーストラリアでもGTレースに勝って、大活躍していた馬たちがいる。それがたまたまベルデュジュールと父を同じくするデヒア産駒の牝馬だったからますます注目を集めた。3歳のデヒボリンジャーは、デヒアを父に、ゴールデンスリッパーの優勝馬ビントマスケイを母に持つ超良血馬だ。ローズヒルガーデン競馬場で開催された3月29日のGTクールモアクラシックに勝ち、現在まで6戦5勝。シドニーのリーディングトレーナーであるゲイ・ウオーターハウス調教師が管理している。したがって、これから先、第二のベルデュジュールになる可能性は大有りである。興味深いのは、今回クールモアクラシックで3着になった馬ガラパゴスガールも4歳のデヒアアの牝馬、またその日の準重賞レースで、2着に入ったナチュラルブリッツもデヒア産駒(3歳牡馬)だったこと。したがって、この日はデヒアの話題で持ちきりになった。更に、この前の週にGUカンタベリーステイクスで、スパーチャンプ、デファイア(5歳せん馬)が見事な返り咲きを見せているので、オーストラリアでは、何だか、またぞろデヒアブームになりそうな気配がする。デヒアは日本との間のシャトルスタリオン。オーストラリアではアローフィールド牧場に繋用されていて種付け料は2万2千ドル(約160万円)となっている。
最後にベルデュジュールに話を戻すと、今回、ドバイでベルデュジュールに騎乗したレニー・ビーズリー騎手が来ていた勝負服は、いつものシングルトン氏の勝負服と違い、オーストラリアを象徴するボクシングカンガルーをデザインしたもの。どうやら、彼は、この勝負服で、ベルデュジュールをヨーロッパやアメリカで走らせるつもりであるらしい。