「優駿」オセアニア情報





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優駿 2003年11月号




日本からのシャトルスタリオンも続々
豪州、ニュージーランドの種牡馬事情


今年のオーストラリアはとりわけシャトルスタリオンには厳しい年になった。コロニアルスタリオンと呼ばれるオーストラリア・NZ産のスタリオン産駒が活躍しているからだ。デインヒルはともかく、2002/2003年シーズンは、リーディングの3位に日本との間をシャトルするデヒアと9位にグランドロッジが入っただけで、あとは、全てオセアニア産かオーストラリアで?用されている種牡馬が占めている。中でも6位のエンコスタデラゴは、フェアリーキング産駒で、オーストラリア産(父スターウエイ)のショウルクリークを母に持つ現在10歳の種牡馬。今年はシーズンの出だしからデインヒルに次いで2位になっている。したがって、今年のシャトルは全部で60頭。数年前まではオーストラリアだけでも70頭近くのシャトルが来ていたからその数は確実に減っているといえる。
しかし、NZは、市場も小さく、資金も不足して、中々自力では種牡馬を買えないという状況にあるせいか、昨年はリーディングサイアーのランキング10位には入っていないにも関わらず、今年もシャトルスタリオンが16頭も来ている。その中には社台スタリオンセンターからジャングルポケットが、レックススタッドからペンタイアが、ブリーダーズスタリオンセンターからブラックタキシード、日本軽種馬協会からチーフベアハートも入っている。リッチヒルスタッドにシャトルされているジャンルポケットは、種付頭数を85頭に限定。種付け料はNZ$15000(約90万円)、既にフルブッキングだという。ペンタイアは、既にオーストラリアでダービー馬を出しているが、今年もコーフィールドカップ/メルボルンカップに8頭もペンタイア産駒がノミネート、更に、昨年ペンタスティックが優勝したVRCダービーにも6頭がノミネートされる大活躍。種付け料のNZ$8500(約60万円) は安すぎるかも知れない。 その他NZには、また、もともと日本で供用されていたジェネラスが、英国のプランテーションスタッドとグレンモーガンファームの間をシャトル。また、シャトルではないが、NZにはサマーサスピション、スキーキャプテン、シンコーキング、スルーザワールドなど日本関連種牡馬が数多くいる。比較的距離の長いのを好むNZは日本で活躍した馬や日本で好まれる血統がそのまま導入できるという利点があるからだと思う。

スプリンター/マイラーを好むオーストラリアではまだ日本馬、あるいは日本から行った種牡馬が目立つ活躍をしていない。例えば日本から来るシャトルの中でもフジキセキなどは、こちらでも最初かなりのブームになったものだが、現在はまだ準重賞レースクラスの勝ち馬4頭しか出ていない。この4頭は全て99年生まれで、昨年フジダンサーがメルボルンで勝った時には、いよいよフジキセキ時代かと思われたのだが、その後が続かなかった。ただし、99年生れの産駒の中で現在ゴールドコーストの女性トレーナーのマリアン・セクストン調教師管理馬、ワリアトレーダーは、今年準重賞を勝って14戦して4勝2回入着。この優勝の中には2400mが入っているので、これから期待できるかも知れない。

始まったばかりの今年のシーズンだから、なんともいえないが、面白いのは2歳馬のリーディングサイアーリストの4位にタヤスツヨシが10位にバブルガムフェローが上がっている。それぞれ1頭だけが勝ちあがっているので、これからどうなるのかはなんともいえないが、この2頭とも既にシャトルを止めているから、シャトルゲームというのは何とも面白いものだ。実際、アメリカからきていたサンダーガルチが今年のシャトル中止を決めた途端に、産駒のツイマイがGUのSTCグローミングステイクスを勝って活躍し始めたのも同じようなもの。まだ走っていないが、今年、メルボルンのエライザパークで、ブラックホーク産駒が生まれた。写真の仔馬は、GVレース優勝馬で、ゴールデンスリッパ-ステイクスで、フライングスパー相手に3着になった優秀な牝馬ミルリッチを母に持つ。鹿毛の早生まれ(8月9日)だ。ブラックホークは大変人気で昨年も100頭以上種付けをした。今年は、残念ながら新入りのグラスワンダーに人気を奪われているが、恐らく80頭の牝馬は来るだろうとエライザパーク牧場側。そのグラスワンダーは、ワンダーホースと宣伝文句が効いたのか、やはり80頭近い繁殖牝馬が来るという。牧場のオープンデーに400人以上の客が集まったが、グラスワンダーが最も注目されていたと、同牧場のマーケティングマネージャーが語っていた。さて、シャトルではないが、オーストラリア産サンデー産駒はやはり期待できる!GTのAJCオークスやGVMVRCウィットステイクスを勝っているサンデージョイは、今年のメルボルンのスプリングカーニバルで、コーフィールドカップとメルボルンカップを狙うというし、彼女に続くタッチドバイガッドも、サンデージョイと同じくシドニーのゲイ・ウオーターハウス調教師の管理下、6戦して1勝2回入着して着々と重賞レースを狙っている。両方の馬とも、オーストラリアの有名なオーナー、ジョン・シングルトン氏の所有馬である。