「優駿」オセアニア情報





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優駿 2006年9月号





種牡馬王者はリダウツチョイス"ポスト・デインヒル"の本命に

競馬にドラマは付き物とはいうものの、05/06シーズンのオーストラリアの競馬界は激動のシーズンであった。

競馬ファンにとって最大の打撃だったのは、シドニーとメルボルンのジョッキークラブが新しい競馬中継の会社を作ったために、既存の競馬中継の会社と大紛争が起こってしまったことだ。
法廷にまで持ち込んで争われたが結着がつかず、馬券を場外で買う人たちはシドニーとメルボルンの競馬をシーズン一杯見ることができず、大きな痛手となった。この紛争はシーズン中続いて、最近になってやっと映像が戻ってきた。

オーストラリア競馬界にとってのもうひとつの痛手は、マカイビーディーヴァの引退だ。日本遠征の失敗から立ち直り、距離的に無理だろうと思われたコックスプレートを勝ち、メルボルンカップ3連覇という偉業を成し遂げたが、優勝したその日に引退が決まり、競走ファンの心にはポッカリと空洞ができてしまった。もっとも、今年はかの上の半弟がデビューするので、少しは慰めになるかもしれない。この弟の名前はマスケット。ジョン・ホークス調教師の管理馬である。
ちなみに、マカイビーディーヴァは今年、ガリレオを種付けするという発表があった。
どんな産駒が誕生するのであろうか。今から楽しみだ。

8月1日、オーストラリア競馬の06/07シーズンの幕開けに、昨シーズンの各種リーディングが発表された。オーストラリア全体では、ジョン・ホークス調教師が197勝でリーディングに。また昨年10年ぶりに香港から帰ってきたデヴィッド・ヘイズ調教師が総合2位となった。ヘイズ調教師は重賞レース勝ち鞍数ではトップとなったが、今シーズンは、昨シーズンのリーディングだったリー・フリードマン調教師を抜いて、メルボルンのリーディングも狙うと公言している。

ジョッキーランキングでは、メトロポリタンの勝ち鞍数165で、ダレン・ビードマン騎手がリーディング。ビードマン騎手は、自己最高で、シドニー最多勝記録である152勝という記録を打ちたてている。シーズン中、ダレン・ビードマンの息子、ミッチェル・ビードマン騎手が見習い騎手としてデビューし注目を集めた。プロビンシャルレベルの父子対決もあって、今回は息子に軍配が上がった。

騎手で最も重賞レース勝ち鞍が多かったのは、賞金額でも1455万豪ドルを獲得したグレン・ボス騎手。そして、昨シーズン、オーストラリアで最も乗り鞍数(勝ち鞍ではなく!)の多かった騎手は、ニューサウスウェールズ州のカントリーをベースにするポール・グラーム騎手で1236鞍だった。日本人の藤井勘一郎騎手は、前回、見習騎手リーディングの2位だったが、今回も最後に大厩舎をバックにしたティム・クラーク騎手に偏差で追い抜かれ、連続2位となった。しかし騎手の超激戦区のシドニーでこの成績はなかなか立派である。

リーディングサイヤーのランキングは、総合と2歳ともに、リダウツチョイスが独占した。総合リーディングサイヤーには過去6年間デインヒルが王座を独占していたが、今回リダウツチョイスがリーディングになったことで、本格的な"ポスト・デインヒル時代"が到来したと言っていいだろう。"デインヒルブーム"がオーストラリアから始まったこともあり、リダウツチョイスに対する北半球サイドの関心も高く、最近、海外からの繁殖牝馬を受け入れ、北半球時間で種付けをするというニュースが繋養先のアローフィールド牧場から発表された。リーディング2位にはオーストラリアでは珍しいフェアリーキング血統のエンコスタデラゴ。エンコスタデラゴは2歳リーディングでも2位になっていて、リダウツチョイスにピッタリとくっついて離れない。

それにしても、今回総合トップ10に入った種牡馬のうち6頭がオーストラリアの国内産馬であった。他方、デインヒル自身を入れれば、10頭中6頭が"デインヒル血統"となった。デインヒルはかつてオーストラリアのサラブレッドの血統に大きな影響を与えたスターキングダムと並ぶサイヤーズサイヤーとなったようだ。