「優駿」オセアニア情報





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Mariko Hyland & Associates Pty.Ltd.



優駿 2008年9月号





全豪のリーディングジョッキーは、50歳のベテラン、ロバート・トンプソン


南半球の競馬シーズンが7月末で終了した。勝ち鞍数で、全豪のリーディングジョッキーのタイトルをとったのは、NSW州のカントリーで活躍するロバート・トンプソン騎手である。トンプソン騎手は、今年50歳のベテランジョッキー。シーズン終了数日前に、競馬の殿堂入りしている故ジャック・トンプソン騎手(血縁関係はない)の記録、3322勝に迫り、その後、彼の記録を破った。実は、トンプソン騎手は、ほとんど、裁決委員に呼ばれたことがない。これは、ラフプレイが多いことで知られるオーストラリアの競馬では大変珍しいことだ。レーシングNSWの裁決委員長であるレイ・マリヒー氏によれば、「彼は騎手である前に、優れたホースマンである。リスクを冒さずに騎乗して、なおかつ結果を出している。しかも、長い間、それを実行するのは並大抵の能力ではない」と絶賛する。通常は、カントリーで騎乗するトンプソン騎手が、今年、ヘヴンリーグローに騎乗して、GTのアローフィールドスタッドステイクスとAJCオーストラリアンオークスを勝った。しかし、彼はあまりスポットライトを浴びるのは苦手らしい。カントリーに暮らして、カントリーで勝つのが、彼の最も好きなライフスタイルなのだという。ところで、50歳のトンプソン騎手とは、反対に、大都市シドニーでは、20歳の若いリーディングジョッキーが輩出した。今シーズン、シドニーのリーディングジョッキーのタイトルを獲ったのはブレーク・シン騎手。この年齢でリーディングになったのは、1975-76年にマルコム・ジョンストン騎手がリーディングのタイトルを獲って以来のことである。今年のブレーク・シン騎手ほど話題に上った騎手はいない。飛ぶ鳥を落とす勢いだったシブリングに騎乗してGTを勝ち、栄光のゴールデンスリッパーを狙っていたが、晴れの舞台を前に、シン騎手は、不注意走行で騎乗停止を受け、ゴールデンスリッパーステイクスに騎乗できなかった。シブリングは、グレン・ボス騎手に乗り替わってゴールデンスリッパーステイクスを勝つ。また、その後5月には、シン騎手の尿から禁止薬物のエフェデリンが検出されて、彼は更に1か月の騎乗停止になる。「僕が馬鹿だった。二度としない」と語ったと伝えられるが、このような事件があっただけに、リーディングのタイトルは、ひとしお嬉しかったことだろう。さて、新シーズンには、ヨーロッパから、ダ―レーグループのトップ騎手として、ケリン・マカヴォイ騎手がシドニーをベースにするし、グレン・ボス騎手も香港から戻ってきてシドニーをベースにする。シドニーのリーディングのタイトル獲得争いは、かなりシビアになってくるだろう。
シドニーのリーディングトレーナーは、昨年のジョン・ホークス調教師に代わり、ブレーク・シン騎手の所属するゲイ・ウオーターハウス調教師が、断トツで1位になった。2位は、ピーター・スノーデン調教師。彼は、シーズン半ばに、インガムグループを離れたジョン・ホークス調教師のアシスタントトレーナーを長く勤めていたが、ホークス調教師の離籍で急遽アシスタントからシニア調教師になった。そして、更に同グループの全ての資産がダ―レーに売却されたために、今度は、ダ―レーグループの調教師になったもの。ダ―レーの後ろ盾があるとはいえ、シーズン半ばからの参戦でリーディング2位に入ったのは快挙と言わなければならない。